知覚動詞



「知覚動詞」という言葉を聞いたことがあるかな?


「知覚」ってことは、感覚に関する動詞のことかしら?


そう、「見る」、「聞く」、「感じる」といった五感に関連する語句を含んでいるだけど、用法が少し特殊なので見ていこう。

知覚動詞はその後の語順に要注意



使役動詞で見られた、使役動詞と目的語の後に動詞の原形が続くという、独特の形を覚えているかな?


はい、1つの英文で動詞が2つあるというのは、なかなか見ないですよね。


でも、実は使役動詞以外にも、同じような形をとる動詞があるんだ。
それが「知覚動詞」と呼ばれる動詞だよ。

see、feel、hear、notice、observe などの動詞は、目的語の後に動詞を続けることができるんだ。

I saw her get off the train.



saw の後に her という目的語、そして、get という動詞の原形が続いているわ!


「see+O+動詞の原形」は「Oが…するのを見る」という意味だから、

「私は彼女が電車から降りるのを見た」

となるよ。



知覚動詞も使役動詞と同じ語順になるんですね!
他にも覚えておくべき知覚動詞ってあるんですか?


よく使われるところだと、

hear+O+動詞の原形「Oが…するのを聞く」
feel+O+動詞の原形「Oが…するのを感じる」
notice+O+動詞の原形「Oが…するのに気づく」

といったところかな。



使役動詞と一緒で、パターンさえ覚えてしまえば、訳し方は難しくはないね!


目的語の後に動詞の原形が続くというのは、何とも不思議な形なわけだけど、これは「原形不定詞」と呼ばれる用法で、to がつかない不定詞、つまり、動詞の原形だけが使われる用法になるんだ。

原形不定詞については、実は昔は to がついていたなんて話もあるんだよ。



なるほどね、時代と共に to が取れていったのかもしれませんね。

知覚動詞の受動態



知覚動詞を使った英文が受動態になると、どうなるのか考えてみよう! 例えば、さきほどの例文を受動態にしてみると・・・?

I saw her get off the train.



主語は目的語の her を She に置き換えればいいのかしら?
それから、時制は過去形だから、be動詞は was となりますよね。

問題はその後の知覚動詞の部分なんですよねぇ…。



動詞は過去分詞にする必要があるので、saw ではなく seen となるよね。
そして、その後に動詞の原形部分を持って来るとどうなるかな?

She was seen get off the train.



こんな感じになるけど、seen get みたいに動詞が2つ続いてもいいんですか?


そこに違和感を覚えてしまうよね!
実は seen と get の間に to を入れる必要あるんだ。

She was seen to get off the train.



前の英文にはなかった to がいきなり出現してくるとは、びっくり!!
原形不定詞で省略されていた to がここで復活するんですね。


「不定詞」とあるように、本来は to があったのかもしれないね。
それが原形不定詞として、動詞の原形という形に変化したわけだけど、受動態の時は便宜上のこともあって、その名残が出てくるのかもしれないね。