接続詞 if が表すニュアンスの違い



if という接続詞は「もし…ならば」という意味で、「条件」や「仮定」を表すんだ。


if はよく見かける接続詞ですよね。
私もこれが一番馴染みのある用法です。


if には他にも注意してほしいニュアンスがあるから、今回はそのあたりをまとめて紹介するね。

直説法の if と仮定法 if

If you get around this area, you will need a map.



If からはじまる副詞節は「もし…ならば」という意味なので、

「もしこの地域を歩き回るならば」

となるよね!



主節は you will need a map だから、

「地図が必要だろう」

という意味ですよね!



というわけで、全訳は以下のようになるよ。

「もしこの地域を歩き回るならば、地図が必要だろう」



if の意味を理解していたら、特段難しくないですよね。


これは「直説法」と呼ばれる、言ってみれば、単なる接続詞の If だよ。

ところが、仮定法になるとどのようにニュアンスは変わってくると思う?

仮定法の if のニュアンス

If you got around this area, you would need a map.



これはいわゆる仮定法過去の英文だね。


・・・えっと、仮定法過去って何でしたっけ?


仮定法過去では、if 節は過去形になるんだ。
そして、主節では“would+原形”が使われるよ。

でも、「現在のことを述べている」
これがポイントだね。

名前に「過去」とはつくけど、時制は現在のことなんだ。

仮定法過去は

「もし…ならば、~だろう(に)」

と訳すのが定石だよ。



ということは、全訳は

「もしこの地域を歩き回るならば、地図が必要だろう」

でいいのかしら?

でも、直説法の if も仮定法の if も和訳してみると、ほとんど一緒じゃないですか?



そうなんだ。
和訳が似ているからこそ、両者のニュアンスをきちんと区別しないといけないよ。

直説法は普通にあり得ることを述べているよ。
つまり、「あなたがこの地域を歩き回ることはあり得ることなので、もし歩き回るとすれば…」と仮定しているんだ。

一方で、仮定法の if 節ではあり得そうにないことを述べているよ。
つまり、「あなたがこの地域を歩き回ることはまずないだろうけど、もしそうするならば……」くらいの気持ちなんだ。



実現の可能性が低い気持ちが込められているんですね。


あり得そうな仮定を述べるのが「直説法」で、あり得そうにない仮定を述べるのが「仮定法」と覚えるといいよ。
直説法と仮定法の if の違い、理解できたかな?


はい!
和訳は似ているけど込められている意味の違いを理解できました。