仮定法現在



仮定法・・・というと主節で would や could を使ったり、過去と言いつつ現在のことだったり、というややこしいイメージがあるかもしれないけど、今回扱う仮定法現在はわりと単純なんだよ。


う~ん、仮定法過去や仮定法過去完了は聞いたことがあっても、「仮定法現在」ってあまり耳にしたことがないわ!


それだけ使われ方がかなり限定的だからね。
だから、パターンさえ覚えれば、それほど難しい英文法じゃないよ。

現在や未来に関する不確実な仮定



仮定法現在は一般的な仮定法のように事実に反する仮定や願望を意味するわけではなく、現在や未来に関する不確実な仮定や想像を表しているんだよ。

He proposed that she accept the award.
「彼は彼女がその賞を受け取るよう提案した」



確かに英文だけ見ると、仮定法に見られるような事実に反した仮定ではないですね。


彼女がその賞を受け取るかどうか・・・
あくまで提案段階であり、この英文で述べられている過去の時点ではそれは不確定で、どちらに転ぶのかが分からないよね?

だから仮定法現在が使われているんだけど・・・上の英文を読んで、普通の英文であればあり得ない点が1つあるよね?



うーん、that 節の動詞の形に違和感があるなぁ。

だって、動詞 proposed の形から、この英文は過去時制のはず。
当然、that 節も時制の一致で過去形になるのに、accepted とは・・・なっていないですよね?



大正解。
このように、仮定法現在が使われている英文では、動詞の後に続く that 節で動詞の原形が使われるんだ。
そして、主語の形、英文の時制に関係なく強制的に原形になるということを覚えてね。


それにしても、どういう時に仮定法現在を使えばいいんですか?


それは使われている動詞に注目してね。

propose の他に、insist、suggest、demand、request、order、advise、recommend といった提案・要求を示す動詞の後に、目的語に当たる that 節が続くと、その that 節の中の動詞には仮定法現在が適用されるんだ。

仮定法現在と should



提案・要求の内容の that 節では、仮定法現在を使わずに、should が用いられることもあるよ。

He proposed that she should accept the award.
「彼は彼女がその賞を受け取るよう提案した」



間違いで多いのが、この should を「…すべきである;…のはずである」と解釈しちゃうケースだね。


そっか!
仮定法現在で that she accept the award となる場合と同じ意味だとしたら、この should には特に意味がないってことになりますよね。


そうだね。
こうした特に訳出する必要のない should は「It is 形容詞 that …」という形の構文でも使われるよ。

It is important that you should meet the deadline.
「締切に間に合わせるのは重要なことである」



このように、「It is 形容詞 that …」構文で that 節が、「必要なこと」「重要であること」「当然であること」といった内容になる場合、should が用いられることがあるけど、この should も特に訳す必要はないんだ。


訳さないといけない should なのか、それとも訳す必要のない should なのか、構文の形からしっかりと見極めないとダメってことですね!