全体否定



否定でよく使われる用法は、全体否定と部分否定に大別することができるけど、今回は全体否定の方を解説するね。


「全体否定」は「完全否定」や「全否定」と言われることもありますよね!


そうだね。
いろんな言い方があるけど、どれも一緒の用法を指しているよ。

すべてを否定する全体否定



全体否定は「すべて~ではない」というのが基本的な意味で、 要するに「すべてそうではない」ということだと思ってくれればいいよ。

None of the company employees join the labor union.



none は「誰も~ない;何も~ない」という意味で、この語句がつくと、全体否定になるんだ。
この英文の意味はわかるかな?


company employee は「社員;従業員」
labor union は「労働組合」という意味だから、

「社員は誰一人として労働組合には参加していない」

って感じでいいのかしら?



うまく訳せたね!
この「すべての社員が参加していない」という部分に全体否定の「すべて~ない」というニュアンスを汲み取ってほしいんだ。


全体否定になるための条件はあるんですか?


今回の none のように一語で全体否定を示す語句もあるし、否定語とある語句がセットになって表すこともあるよ。

例えば・・・

neither「どちらも~ない」
not ~ either「両方とも~ない」
not ~ any「どれも(全部)~ない」

といったものが代表的だね。

I do not support any of political parties.
「私はどの政党も支持していない」



この例文だと not と any が呼応して「どの政党も~ない」と全体否定になっているんですね。

慣れていないと、間違えて any をそのままの意味で「いくつかの」って訳してしまいそうだわ。



まさにそこが間違いやすいポイントなんだ。
any「いくつかの」や either「どちらか一方」は全体を表す語句ではないけど、not とセットになると全体を否定するという点に注意してね!