再帰代名詞



今回のテーマは代名詞の1つである「再帰代名詞」について詳しく説明するね。


「再帰代名詞」という名称ははじめて耳にしたわ!


あまり聞き慣れないかもしれないね。
再帰代名詞とは myself や yourself など、my などの所有格の後に self のつく表現のことを言うんだ。

再帰代名詞の基本的な用法



再帰代名詞を一番よく目にするのは、主語と目的語が同じ人物を指す場合だよ。

She found herself in a strange room.



主語が She で目的語も同じくShe なので、herself で代用しているんだ。


仮に She found her in ~ としたらダメなんですか?


もしそうしたら、her は別の女性を指しているような印象を受けるちゃうんだ。
主語と目的語が同一人物の場合は、このように再帰代名詞を使うようにしようね。

ちなみに、この再帰代名詞は「~自身」という意味だと辞書には書かれているけど、実際に和訳する際には、そのように訳すことはほとんどないんだ。



じゃあさっきの例文だと

「彼女は彼女自身が見知らぬ部屋にいることに気づいた」

とはならないってことですか?



意味は十分に分かるけど、日本語としてどうもぎこちないよね?

「彼女は見知らぬ部屋にいることに気づいた」

と herself を無視して訳した方が自然だし、何かの語句をあえて添えるならば、

「彼女は自分が見知らぬ部屋にいることに気づいた」

といったように「自分が」といった訳語を補ってあげた方が自然だよね!



なるほど!
再帰代名詞は辞書通りに忠実に訳すと、不自然な日本語になることが多いってことですね。

動詞と再帰代名詞の組み合わせ

You should devote yourself to the development project.



上の例文は、動詞と再起代名詞を一緒に用いた表現になるけど、devote yourself to ~ の yourself をそのまま「あなた自身」と訳してしまうと…どうなるかな?


えっと……

「あなたはあなた自身をその開発プロジェクトにささげるべきだ」

となり、少し不自然な感じですね。



devote oneself to ~ は「自分自身を~にささげる」から「~に専念する」と訳すのがほぼ定石となっているんだ。ということで、

「あなたはその開発プロジェクトに専念すべきだ」

とすると、ずいぶんと自然で読みやすくなったよね!

devote oneself to ~ のような「動詞+再帰代名詞+前置詞」という組み合わせの表現は結構たくさんあるから、訳し方には気をつけよう。

再帰代名詞の強調する用法



再帰代名詞は、主語や目的語で使われた名詞を強調する役割をすることもあるんだ。

Did you do this writing assignment yourself?
「この作文の宿題はあなた自身がやったのですか」



文末にある yourself は、主語である you を強調して「あなた自身が」というニュアンスを出しているんだ。


なるほど!
再帰代名詞を使うことで「あなたが自分でやったの?」ということをあえて強調して、聞いているわけですね。


再帰代名詞はこのように、名詞や代名詞と一緒に使われて強調的な意味合いで使われることがあり、その際は文末に置かれたり、その語句の直後に置かれたりするよ。