不定詞の副詞的用法



不定詞の基本用法の最後は副詞的用法を取り上げるね!


名詞、形容詞ときて、今度は副詞か~。


副詞ということは不定詞の部分が動詞や形容詞にかかるような感じになるんだ。
それでは詳しく見ていこう!

不定詞の副詞的用法の3つの訳し方



副詞的用法は「…するために」と訳すのが代表的で、目的を表しているんだ。
たいていの英文はこの訳し方で意味が通るよ。

She went to the library to borrow a book about economic science.
「彼女は経済学の本を借りるために図書館に行った」



to borrow の部分が「借りるために」ってなっていますね。


この to 以下の不定詞は副詞的用法なので、went という動詞にかかっているんだ。
「~を借りるために」→「行った」というつながりだね。


確かに、「~を借りるために」→「図書館」はつながらないですよね。
そっかぁ、「…するために」と訳せばいいだけなら、副詞的用法は簡単ですね!


あ、ちょっと待って。 「…するために」という訳し方だけでは不十分なんだ。 例えば次のような英文を見てみて!

I was terribly upset to hear the news.



この英文の to 不定詞も副詞的用法なんだけど、「…するために」と訳すとうまくいかないんじゃない?


え~っと、upset は「混乱して;取り乱して」という意味の形容詞だから、
「私はそのニュースを聞くためにひどく取り乱した」

……確かに変な日本語ですね。



この場合は to 不定詞を「…して」と訳すとうまくいくよ。
つまり、全訳は
「そのニュースを聞いて私はひどく取り乱した」
となるね。


なんで、同じ副詞的用法なのに「…するために」って訳してもうまくいかないのかしら?


さっきは to 不定詞以下が目的を表していたけど、今回の場合は to 以下が原因を表わしているから、「…して」と訳すんだ。
他にも副詞的用法にはこんな訳し方もあるよ。

You were careless to make such a stupid mistake.
「そんなばかげた間違いをするなんて、君は不注意だった」



この場合の to 不定詞も副詞的用法だけど、「…するために」「…して」とは訳していませんね!


うん、この英文のように、to 以下の内容が批判や判断の理由になる場合は、「…するなんて;…するとは」と訳すんだ。

不定詞の副詞的用法のまとめ



つまり、不定詞の副詞的用法には大きく分けて、次のような訳し方があるんだ。
  1. 「…するために」(目的)
  2. 「…して」(原因)
  3. 「…するなんて;…するとは」(批判や判断の理由)


このように、不定詞 to 以下の内容が、意味的に英文中の動詞や形容詞にかかる副詞的用法の場合は、上記の3つの訳し方のどれかに当てはまると考えてね。


3つのどれに当てはまるかは、どうやって見分けたらいいんですか?


原因、批判や判断の理由の前には感情を表す形容詞が来ることが多いというのもヒントになるだろうね。まぁ、一番いいのは文脈から判断をつけることかな。

不定詞の副詞的用法といえば「…するために」という機械的な覚え方は、これをきっかけに卒業しようね!