婉曲的な表現



今回は「英語の婉曲的な表現」について解説していくよ。


婉曲的な表現というと、どちらかというと日本語的な感覚に近いような…。
英語は日本語と比べて、気持ちをストレートに伝える言語ではないのですか?


日本語に比べたら確かにそうなんだけど、何でもそのままダイレクトに伝えると相手を傷つけたり、誤解を生むことになったりしかねないよね。

英語にだってちゃんと婉曲的な表現はあるんだ。
というわけで英語の婉曲表現とは、どのようなものかを例文を交えて見ていこう!

英語にもある遠回しに表現する語法

With regard to school performance, He is not so smart.



冒頭の With regard to ~ は「~に関して」。
school performance は「学校の成績」という意味。
さて、この smart はどのように解釈したらいいと思う?


smart の意味はそのまま「スマートな」でいいんでしょうか?


日本語でも「スマートな」とは言うけど、そこには多くの意味が含まれているよね。
「きちんとした;洗練された」という意味もあるし、「利口な」なんて意味でも使わるわけで。ちなみにこの場合は「賢い」というニュアンスだよ。

つまり、全訳は以下のようになるよ。

「学校の成績に関しては、彼はそれほど賢くはない」



この smart は「賢い」という意味で使われているんですね!


「賢くない」ということはつまり、「愚かだ」「バカだ」とも言い換えられるけど、そういう意味で、stupid を人に対して使うのはちょっと失礼だよね


確かにストレートにそう言われると傷つくかも…。


だから、「賢くはない」と少し遠回しな言い方に変えて、not smart なんて表現したりするんだ。

部分否定を使って婉曲的に表現する

I am dissatisfied with the company’s response.

「会社の対応に不満を感じている」



dissatisfied という表現は確かにわかりやすいし、すごく不満なのが伝わってくるよね。


でも、この表現もちょっとストレートすぎる気もしますね。


そうだね、だから例えば部分否定を使って

「完全に満足しているわけではない」

と含みを持たせた表現に変えてみるのもアリだよ!



部分否定といえば、 not などの否定語と特定の副詞が一緒に用いられて

「全部ってわけではないけど、部分的にそうなんです」

という意味になる用法でしたよね?



よく覚えていたね!

「完全に…というわけではない」と言いたい場合は not と副詞の entirely や completely を一緒に用いて表現してあげるといいよ。



だとしたら…

I am not entirely satisfied with the company’s response.
「会社の対応に完全に満足しているというわけではない」

こんな感じでどうでしょうか?



not entirely という部分否定を添えることで、「満足していない」という気持ちをうまく婉曲的に表現できたね!

いくら部分的に否定しているとはいえども、不満な部分が勝っているんだろうなぁと伝わりそうだね。



他にも婉曲的な英語表現ってあるんですか?


そうだね…
例えば seem を使った表現も婉曲的になったりするよ。

seem to … を使って婉曲的に表現する

You seem to be avoided by other colleagues.

「あなた、他の同僚に避けられているみたいだよ」



seem to … は「…のようである」という意味だけど、これをもし、

You are avoided by other colleagues.
「あなたは他の同僚に避けられている」

と断定的に言い切ってしまうと、どういう印象を受けるかな?



う~ん、内容が内容だけに角が立ちそうですよね。


そうだよね。
だから、seem to …「…のようである」という表現を使うことで、少し遠回しに、婉曲的に伝えることができるんだ。


どれも一度は見たことある表現でしたけど、英語でも婉曲的な表現って結構たくさんあるんですね。


あまりに直接的な表現というのは、大人が使うには少し稚拙だし、コミュニケーションにも支障が出たりするもの。

英語の婉曲的な表現を知っておくと表現力の幅も広がっていくよ!!