助動詞 must の用法



must という助動詞を見たことあるよね!


ありますよ。
助動詞の中でも、ちょっと強いニュアンスを含んでいますよね。


must には複数の意味があるので、文脈によって使い分ける必要があるんだ。

助動詞 must の使い分け

義務を表す must



1つ目は must といえばというくらい代表的な「…しなければいけない」という義務の意味だよ。

You must wear clothes suitable for the occasion.



suitable for the occasion は「その場にふさわしい」という意味で、clothes を修飾しているよ。

suitable は形容詞だけど、for the occasion という語句が続くこともあって、後ろから名詞を修飾している形だね。



だとすると、この must は「…しなければいけない」という義務の意味だから、

「その場にふさわしい服を着なければいけない」

と、訳はこんな感じになりますよね。



この義務を表す must と同様の意味で、have to … というのがあるんだ。


must と have to … は同じような意味だから、よく書き換えの問題をやらされたことがあったわ。

You have to wear clothes suitable for the occasion.



だから、さっきの英文はこんな感じい書き換えることができるんだけど・・・
ニュアンス的には微妙に違うんだ。


えっ、そうなんですか?


have to … の方が周囲の状況から、そうしなければいけない、という客観的な感じが強くなるんだ。

だから、この英文も have to … とすると、服装に関する規則や決まりがあって、ふさわしい服を着ないといけないんだ、という感じになるんだよ。



じゃあ、must にしたらどうなるんですか?


must を使うと、have to … に比べて少し堅い感じになるんだ。
ほぼ同義で使われるけど、must の方が堅い分、会話より書く時に使われることが多いかもね。

推量を表す must



2つ目は推量の意味の must で、「…に違いない」と訳すんだ。
でも、意味的には「推量」ってところがポイントになるんだ。

He must speak four languages according to his resume.



according to his resume は「彼の履歴書によると」ということ。
この must は「…に違いない」と訳すので、訳は以下のようになるよね。

「履歴書によると、彼は4か国語を話すに違いない」

でも、このままだと語尾が「履歴書によると」の部分とつながらない気もするので、

「履歴書によると、彼は4か国語を話すのだろう」

と推量の感じを強めた訳にしてもいいと思うよ。



あれ、助動詞は will や may にも推量の意味がありませんでしたっけ?


そうなんだ。そこがややこしいところなんだけど、
訳し方は同じ「…だろう」となっても、must は will や may よりもはるかに確実性の高いニュアンスなんだよ。


日本語訳だけを追っていると、こうしたニュアンスの部分を見落としがちになりそう…。助動詞1つのニュアンスにも気を配るようにしないといけないですね!