
これまで仮定法過去や仮定法過去完了などを見てきたけど、仮定法といっても、必ず if 節があるわけではないんだ。

えっ!
if 節がないと、どうやって仮定法だと見分けたらいいのかしら?
if 節がないと、どうやって仮定法だと見分けたらいいのかしら?

ちょっと難しいんだけど、見分けるポイントを紹介しておくね!
仮定のニュアンスが主語に含まれるとき

if 節がないときは、他の語句が if 節の代わりをするんだよ。

if 節の代わり……?

そう、if 節の「もし…であれば」というニュアンスが何かの語句に隠されることがあるんだ。
This supermarket would stock most daily necessities.

これを普通に訳してしまうと……?

えーっと、
「このスーパーはほとんどの日用品を揃えているだろう」
で意味も通るし、間違いではないですよね?
「このスーパーはほとんどの日用品を揃えているだろう」
で意味も通るし、間違いではないですよね?

でも、would があるよね?
仮定法では主節で would や could が使われたよね?
だから、もしかしたらこの英文も仮定法ではないかと考えてみよう。
仮定法では主節で would や could が使われたよね?
だから、もしかしたらこの英文も仮定法ではないかと考えてみよう。

だったら、if 節の「もし…であれば」はどこに含まれているんですか?

実は、仮定法の if のニュアンスは主語である This supermarket に含まれているんだ。
ということで、
「このスーパーであれば」
という仮定のニュアンスを訳出しないといけないんだね。

主語の This supermarket だけで if 節の代わりとかできちゃうんですね。

そう、ちょっと裏ワザみたいだけど、仮定法にはこんな風に if 節のニュアンスが語句に隠されていることがあるんだけど、これを「潜在仮定法」なんて言ったりもするよ。
ということで、全訳は以下のようになるよね!
「このスーパーであれば、ほとんどの日用品を揃えているだろうに」

確か、仮定法は実際には起こってない出来事や「そうしたらいいのに」という願望の気持ち込める際に使われる用法ですよね?

そうだね。
この場合は if の仮定は This supermarket に込められているので、
「実際は利用していないが、このスーパーにしておけば」
という気持ちが、その裏側に込められているのかもしれないね!
この場合は if の仮定は This supermarket に込められているので、
「実際は利用していないが、このスーパーにしておけば」
という気持ちが、その裏側に込められているのかもしれないね!

潜在仮定法を見分けるヒントみたいなものはあるんですか?

潜在仮定法の目印は would や could だよね?
だから、文中にそれらの語句があっても、if 節がなかった場合は、仮定法の可能性を考えてみてね。
だから、文中にそれらの語句があっても、if 節がなかった場合は、仮定法の可能性を考えてみてね。
まぁ、必ずしも仮定法とは言えないので、最後の詰めは前後の文脈も踏まえてだけどね!
練習問題

例文を交えてさらに理解を深めていこう!
Any words from her would have been a great consolation to her husband.

この英文では would have been と仮定法過去完了の用法が使われているけど…if 節はどこにも見当たらないよね?

この場合もどこに if 節のニュアンスが含まれているかを考えないといけないんですね。
この英文も主語である Any words from her に if の「もし…ならば」のニュアンスが隠されていたりしますか?
この英文も主語である Any words from her に if の「もし…ならば」のニュアンスが隠されていたりしますか?

その通り!
Any words from her は肯定文で使われている any が「どんな…でも」という意味になることに注意すると、「彼女からのどのような言葉でも」となるよね!
Any words from her は肯定文で使われている any が「どんな…でも」という意味になることに注意すると、「彼女からのどのような言葉でも」となるよね!
それに if 節の仮定の条件を含ませるように工夫して訳すと…?

「彼女が何か声をかけていたら」
ってなりますね!

仮定法過去完了の時制は「過去完了」ではなくて、「過去」だよ。
だから、if の条件が含まれる部分も「…していたら」と過去時制を意識して訳さないといけないんだ。
だから、if の条件が含まれる部分も「…していたら」と過去時制を意識して訳さないといけないんだ。

仮定法過去完了で時制が過去ということは理解できたのですが、a great consolation to her husband「夫への大いなる慰め」はどうしましょう?

a great consolation to her husband はいわゆる名詞構文だね。
「夫への大いなる慰め」というそのままの直訳では少しぎこちなさが残るよね?
「夫への大いなる慰め」というそのままの直訳では少しぎこちなさが残るよね?
そこで、consolation という名詞を動詞のように、そして great を動詞にかかる副詞のように訳してみよう!
すると、「~を大いに慰める」となり、さらに表現を工夫して、「~は大変気が休まる」とすることもできる。
仮定法過去完了なのだから、「夫は大変気が休まったことだろうに」となるわけ!

でも、仮定法は実際には起きていないことなので、本当のところは
「妻から声をかけてもらえず、夫は気が休まらなかった」
ということが言いたいわけですね!

仮定法の裏側に込められた意味はそうなるよね!
したがって、この英文の全訳は
したがって、この英文の全訳は
「彼女が何か声をかけていたら、夫は大変気が休まったことだろうに」
となるよ。