名詞構文と形容詞



名詞構文の読解法では名詞構文を動詞的表現に置き換える、という作業を説明したけど、 今回は形容詞的な表現に置き換えるパターンを見ていこう。


名詞構文は形容詞に置き換えても自然な感じになるんですね!

名詞構文を形容詞的表現に置き換える



前回の復習になるけど、名詞構文とはその名の通り、名詞を主とした構文のことだったよね。


うん、名詞ばかりが続く表現のことですよね!


日本語では形容詞を使って表現することも 英語では名詞だけで表すことができるんだ。
次の例文で確認していこう!

名詞ばかりの表現に形容詞のエッセンスを加える

The climatic diversity enables us to harvest a lot of crops.



この英文を直訳すると、
climatic diversity は「気候上の多様性」、英文全体は enable ~ to … で「~に…することを可能にさせる」という構文なので、

「気候上の多様性は私たちにたくさんの作物を収穫することを可能にしている」

となるよね!



そうですね。


でも、The climatic diversity という無生物主語だから、

「気候上の多様性のおかげで私たちはたくさんの作物を収穫できている」

としないといけないよね!



う~ん、無生物主語の工夫でかなり日本語らしくなった気がするけど……、
「気候上の多様性」というところが、まだちょっとわかりにくいわ~。


確かに「多様性」という言葉はあまり聞き慣れないし、ちょっと堅いよね。
実は、この The climatic diversity という部分が名詞構文なんだ。
だから名詞のまま訳出すると、ちょっとぎこちない感じになるんだ。


なるほど~。
じゃあこの名詞構文はどう変換すればいいんですか?


まずは、この diversity という表現を訳す時だけ形容詞的表現に置き換えてみよう。
するとどうなるかな?


「多様性」というのは、いろいろな種類がるという意味だから……「さまざまな」とかはどうかしら?


じゃあ「さまざまな」に置き換えると、climatic の訳も diversity の訳にあわせて工夫しないといけないから、

「さまざまな気候があるおかげで、私たちはたくさんの作物を収穫できている」

としてみてはどうかな?



なんだか、最初の直訳と比べてとっても読みやすくなりましたね!


diversity「多様性」という一見複雑な名詞も「さまざまな」という形容詞的表現に置き換えると、非常に読みやすくなったよね!

このように名詞構文は形容詞的な表現に置き換えると、自然な感じになることもあるんだ。
この置き換えの仕方も覚えておこうね。