前置詞 in



今回は in という前置詞について見ていこうね。


in はよく英文で見かけるんですが、いつも決まった訳し方しかしていんですよね。
でも、それだと時々前後が繋がらなくなることがあるんです。


前置詞はネイティブ的な感覚が最も問われる部分だから、すべてを完璧に網羅するのは難しいんだけど、ある程度であればイメージを膨らますことで対応できるんだよ。

前置詞 in が持つ空間的広がりの中というイメージ



前置詞 in というと、まずはどういう意味をまず思いつくかな?


やっぱり、「~の中」ですよね!


じゃあ、この「~の中」という訳から in のイメージをどんどん大きくしていこう!
まずは、以下の2つの英文を比較してみてね。

(1)Kate arrived at the library.
「ケイトは図書館に着いた」

(2)Kate studied hard in the library.
「ケイトは図書館で熱心に勉強した」



(1)では in the library ではダメで、(2)は at the library にならないのか、その理由が分かるかな? 


えっ?
何でかなぁ・・・。どっちでもいいような気もしちゃいます。


まず「~に到着する」という場合、図書館の中でないといけないのかな?
図書館の入口の前でも、図書館の館内に入っていても、その場所に着いたという事実には変わらないよね?


そっか、(1)は到着したという事実を重点的に伝えたいから、図書館の中か外かは関係ないのね。


つまり、(1)は図書館の内外を問わず、図書館という場所全体を”点”で捉えている、それゆえに at が使われているんだ。

一方で、勉強はふつう図書館の中でするよね?
図書館の入り口に机を置いて勉強している人はまずいないはず…。



確かに、僕もそんな人を見たことないですね(笑)。


そうなると、(2)の場合は図書館という空間の中でとなるので、in という前置詞が使われているわけだね。

つまり、in は「立体的な空間や容器の中」というイメージがまさにぴったりな前置詞なんだよ。



なるほど!
この英文の場合は図書館を1つの空間や容器と捉えて、その中でケイトが勉強しているわけですね。

in のイメージの応用



この in の「~の中」というイメージは空間だけでなく、時間をも1つの空間と捉えて応用されるよ。
以下の英文で、時間を表す in の用法を確認してみよう。

He established an international foundation in 2010.
「2010年に彼は国際基金を設立した」



この場合の in 2010 は「2010年」というある程度まとまった期間を1つの空間と捉え、その中、つまり「2010年中において」という意味で in が使われているよ。


じゃあ、in autumn や in the morning が「秋の間に」「午前中に」といったニュアンスになるのは、ある程度の長さがある期間を表すからですね。


でもね、「午前6時に」となると、
at 6 o’clock in the morning
となるんだ。


確かに時間の前には、前置詞 at を置きますよね。


これは「6時」というある時刻の一点、つまり点で捉えているがゆえに at が使われているんだ。
そして「6時」というのは12時間という、ある程度まとまった期間である午前中に含まれるからこそ、in the morning となるんだよ。

じゃあ次の英文の in はどのように解釈できるかな?

I will finish this report in an hour.



I will finish this report は「私はこのレポートを仕上げているだろう」、 in an hour は「一時間後には」という意味ですよね。

「~後に」という意味でも in が使えるんですね。



英文全体で見ると意味は分かるけど、なぜ in になるのか?

そもそも in は「~の中に」という意味で、「立体的な空間や容器の中」のイメージだと説明したよね?
実は、このイメージは時間にも適用されるんだ。

この場合は今から一時間後までを1つの空間と見なして、その中でという意味で in を使っているんだよ。

in と later の違い



そういえば、「~後に」という意味では later という単語もありますよね?


later はさっきの英文では使えないよ。
なぜなら、later は過去などの現在以外の始点からの、「~後に」という意味になるからなんだ。

でも、英文は今という現在の始点からの「一時間後」ということでしょ?
このような、現在からの始点の場合は in が使われるんだ。

前置詞


同じような意味でも、in と later の使い方は全然違うんですね。