比較級を使った応用表現



今回は比較級を使った応用表現を見ていこう!


比較級に応用表現なんてあるんですね?


そうなんだ。
しかも4種類あって、区別がちょっとややこしいんだけど、ニュアンスの違いを覚えていこう。

more や less を使った応用表現

more を用いた比較級の応用表現



比較級の中でも more や less を使った表現はたくさんあるんだけど、混乱しがちなのが次の4つの表現だよ。

no more than ~「~しか;わずか~」
not more than ~「せいぜい~;多くて~」
no less than ~「~もの」
not less than ~「少なくとも」



形が似すぎていて、早くも混乱しかけています!


うん。形が似ていて区別がしにくいよね。
例文で用法を見ていこう!

The project will take no more than three weeks to complete.



動詞 take の目的語である three weeks に no more than がついている形だね。

no more than ~ は more を no で否定するので、「多い」というよりは「少ない」対象に使われるんだ。
そのため「~しか;わずか~」という意味になるよ。

試しに no more than を取ってみるとどうなるかな?



The project will take three weeks to complete.
「そのプロジェクトは完了するのに3週間かかるだろう」

ですよね?



これに否定的なニュアンスの no more than がつくことで、全訳は以下のようになるよ。

「そのプロジェクトは完了するのに3週間しかかからないだろう」

only のようなニュアンスになり、「3週間しか」とその期間が少ないことを強調していることがわかるかな?



確かに、no more than がつくことで、three weeks「3週間」という期間の少なさがより強調された感じがしますね!


次は not more than の例文を見ていこう!

It will take not more than three weeks to finish the project.



動詞 take の目的語である three weeks に not more than がついている形だね。
not more than ~ は「せいぜい~;多くて~」という意味で、「上限」を示す表現なんだ。

試しに not more than を取ってみるとどうなるかな?



It will take three weeks to finish the project.
となるから、「そのプロジェクトを終えるのに3週間かかるだろう」ですよね!


そうだね!
そこに not more than がつくことで、全訳は以下のようになるよ。

「そのプロジェクトを終えるのに多くても3週間だろう」

「3週間より多くはかからない」というニュアンスを含んでいて、「最大でかかっても3週間」と期間の上限を示しているのがわかるかな?



はい、not more than をつけると、three weeks「3週間」を超えないことがより強調されている感じがします!

less を用いた比較級の応用表現



次は less を使った比較級の応用表現を見ていこう!

He received acceptance letters from no less than three graduate schools.



acceptance letter は「合格通知」という意味。
no less than は from 以下のthree graduate schools にかかっているんだけど、この英文の意味がわかるかな?


no less than ~は「~もの」という意味だから、no less than three graduate schools は「3つもの大学院」でしょうか?


その通り!
no less than ~ は no more than とは逆に「~もの」という意味で数の多さを強調する表現なので、全訳は「彼は3つもの大学院から合格通知をもらった」となります。


最後は not less than の例文を見ていこう!

We need not less than five hours to complete this task.



動詞 need の目的語である five hours に not less than がついている形だね。
not less than ~ は「少なくとも~」という意味で、「下限」を示す表現なんだ。


下限ということは、さっきの上限を示す not more than とは逆ということですね!


そうだね。
not less than five hours だから、「少なくとも5時間」となり、「5時間以下では終わらない」というニュアンスを含むことになるよ。
つまり、「最低でも5時間はかかる」と時間の下限を示しているんだ。

ということで、例文の全訳は
「この作業を終えるのに少なくとも5時間は必要だ」
となるよ。

比較級を用いた応用表現のまとめ



さて、ここまでの内容を踏まえて何か気づいたことはないかな?


もしかしたら、more や less 本来の意味とは逆の意味になっていませんか?


そうなんだ。
more は「より多い」という意味だけど、no や not で否定されることで

no more than ~「~しか;わずか~」
not more than ~「せいぜい~;多くて~」

と数の少なさを引き立たせる意味になっているよね。



一方で、less は「より少ない」という意味ですが、

no less than ~「~もの」
not less than ~「少なくとも」

とむしろ、数の多さを示す表現となっていますね!



no や not の否定語で打ち消されるから、more と less 本来の逆の意味になると覚えておくと、意味を覚えやすくなると思うよ。