現在完了の完了と結果



今回は現在完了が持つ4つの意味の中でも
「完了」と「結果」
という2つの意味について見ていこう。


へ~、現在完了には、「完了」と「結果」という意味があるんですね。


この2つはニュアンスも似ていて、「結果」については用法も限られているため、「完了」とよく一緒に説明されていることが多いんだ。

「完了」も「結果」も現在とのつながりを意識する

現在完了の「完了」の用法



現在完了の「完了」は
「…したところだ;…してしまった」
というのが基本的な意味だよ。


えっ?
「…したところだ」というのは、進行形でも使われる訳し方じゃないですか?


同じ訳でも、現在完了と進行形でどう違うのか、そのあたりも意識して例文を見てみよう!

Lucy has just finished her research about graduation thesis.
「ルーシーは卒業論文の調査をちょうど終えたところだ」



has just finished の部分が現在完了になっているので、
「ちょうど終えたところだ」
という意味になっているよね!


訳し方が似ていますど、この英文が現在進行形ではなく、現在完了になることでどういうニュアンスになるんですか?


「現在完了という概念」で、現在完了の特徴は
「過去の出来事が現在にどう影響しているか」
だと説明したよね?


はい。


今回の例文でも
「卒業論文の調査をちょうど終えたところだ」
という意味の裏には
だから「今は調査をする必要がない;今は少し時間がある」
という、その結果現在どういう状態なのか、というニュアンスまで含まれているんだ。


ここでも「現在とのつながり」がポイントなんですね。


卒業論文のための調査はある過去の時点から続いていたのだろうけど、その過去の出来事自体には重点は置かれていないんだ。
むしろ、過去からずっと続いた調査がちょうど終わって、そしてその結果としての現状の方に重点が置かれているんだよ。


じゃあ進行形のイメージというのはどんな感じなんですか?


もし、進行形ならば、過去から現在への影響やつながりは関係なく、
「まさにその時…しているところだ」
ということを示しているにすぎないんだ。

「その時まさに起きている一過性の動作」
というイメージだね!

Lucy was playing the piano.
「ルーシーはピアノを弾いていたところだ」



これはある過去の時点で起きていた「ピアノを弾く」という動作を表しているにすぎないんだ。
現在完了のように、その動作が現在まで続き、今現在はどういう状況か、といったように、「現在とのつながり」は示されてはいないんだよ。


なるほど!
これが現在完了と進行形の違いなんですね。


ちなみに、「完了・結果」を表す現在完了では
just、now、already、yet
といった副詞が一緒によく使われるよ。

こうした相性のよい副詞を覚えておけば、現在完了でも「完了・結果」の意味ではないだろうか、と判断するヒントになるはずだよね!

現在完了の「結果」の用法



次に現在完了の「結果」の用法を見ていこう。

My wife has lost the key to our house.



has lost と「have+過去分詞」の形になっているので、これも現在完了の英文ですよね!


この英文は完了ではなく結果に分類されるんだ。
でも、「完了」「結果」も似たような部分があるので、すべてを厳密に区別するのは難しいんだよね~。

たとえば、完了なら「…したところだ」と訳すけど、上の英文で「家の鍵をなくしてしまったところだ」とすると、意味は通じるけど、ちょっと変な感じがするよね?

それよりは結果のニュアンスである
「…してしまった」
という訳を当てはめた方がしっくりくるでしょ?



確かに、「失くしてしまったところだ」って何かぎこちないかも。


これが完了と結果の用法を区別する1つの指標だね。
もちろん、結果も現在完了だから、「今現在どうなのか」ということに力点が置かれているんだ。

鍵を失くしたのは、ちょっと前の過去のことかもしれないけど、
「その結果、今は鍵がなくて困っている」
といったように、話し手の関心は現在にあるんだ。



結果の用法でも、やっぱり現在完了では「現在における力点」が重要なんですね!