指示語の基本用法



今回は指示語について説明していくよ。
まぁ、指示語と一言でいってもいろいろな種類があるんだけどね。


指示語って it とか them とかのことですよね?


そうそう、他にも
this や that の指示代名詞
I、we、he、she といったおなじみの人称代名詞
who や which といった関係代名詞
も人や物を指しているという点で、指示語に分類されることもあるんだ。

では、なぜ英語では指示語がよく使われるのかと言うと、英語では同じ語句を繰り返すことをよしとしない傾向があるからなんだ。



それは、日本語でも同じですよね!


そうだね、同じ語句ばかりを繰り返していると表現がくどくなっちゃうしね。

そうしたくどさの解消のために指示語を使うことで、簡潔にわかりやすく伝えようとすることができるんだ。

さて、指示語は基本的に前に出てきた語句を受ける、といことを次の例文を交えて見ていこう。

単体の語句を受ける指示語

指示語が指す語句を見極める

The shape of Italy is like that of a boot.



上の英文の指示語は that だよね!
さてさて、この that は何を受けているのでしょうか?


うーん、the shape じゃないかしら?


正解!
この that は The shape を受けているんだ。
つまり、指示語が指すものを書き出すと次のようになるよね?

The shape of Italy is like the shape of a boot.



確かに、短い文中に the shape of という同じフレーズが2回も出てくると、確かにくどい感じがしますね。


でも、この英文を訳すと、「イタリアの形はブーツのそれに似ている」とするよりは、「イタリアの形はブーツの形に似ている」と that が指すものをきちんと訳出してあげた方がわかりやすくないかい?


本当ですね。
英語では指示語で簡単に表すのに、それにつられて日本語でも簡単に訳すと、なんかわかりにくいわ。


that は「それ」という意味だけど、訳す際も「それ」のままでは何を示すのかちょっとわかりにくいよね?
だからそんな場合は指示語が指すものをあえて訳出してあげると、日本語としてわかりやすくなるんだよ。

指示語が前の内容を受ける場合

Who will tell her the truth about the incident?
That is the question.



the truth about the incident は「事件の真相」という意味なので、第1文は「誰が彼女に事件の真相を話すのか」となるね。 第2文の That が指示語になるわけだけど、この That はさっきのように単体の名詞を受けているわけではないんだ。


えっ、それじゃあ第1文のどこを受けているんですか?


実は第1文をまるまる受けて
「それ(誰が彼女に事件の真相を話すのか)が問題だ」
と言っているんだよ。


文全体ってすごいですね!!
指示語って語句だけではなく、内容そのものを指すこともあるんですね~。


このように何でも受けられる便利な指示語だけど、語句だけでなく、前出の句や節といった英文全体を受ける場合もあるので、何を指しているのか、文脈を読み取って見極めるようになろうね!