強調構文



これまでは、語句が語句を強調する用法を見てきたけど、今回はちょっと大がかりな感じだよ。


大がかり・・・ですか?


なんてったって、今回は構文が語句を強調するパターンだからね。
文全体で語句を強調するんだ。

強調構文の基本



文全体で語句を強調するための構文を強調構文と言うんだけど、強調構文の基本の形と訳はこんな感じだよ。

It is ~ that …
「…なのは~である;~こそ…である」



「~」の部分に強調したい語句を挿入し、残りの部分を that 以下の「…」に置くようにするんだ。


構文の形としては、とってもシンプルな形だし、覚えやすそうですね!


でもシンプルな分だけ、うっかり見逃しやすいので、用法をしっかりと確認しておこうね!

He borrowed my laptop computer yesterday.
「彼は昨日私のノートパソコンを借りていた」



この英文の語句を、強調構文を用いて強調する場合、どの語句を強調するかで、3パターン作ることができるんだ。

強調構文は主語、目的語、そして副詞や副詞句といった、その他の修飾語も強調できるので、上の英文に当てはめてみると・・・

主語の He
目的語の my laptop computer
副詞の yesterday

という3つの語句を強調できることになるんだ。



ということは、borrowed だけを強調するといった、動詞だけ強調というのは強調構文ではできないんですね。

主語の He を強調する場合



It is ~ that … の「~」に強調したい語句を置けばいいのだからHe を挿入してみよう。
that 以下は強調された語句を取って、そのままの語順でつなげればOKだよ。

すると、こんな感じになるよね。

It was he that borrowed my laptop computer yesterday.



もともとの英文の時制が過去形だから、強調構文の時制も過去形にして、is → was としているところも注意すべきポイントですよね。


そうだね、時制と動詞の形にも注意しないといけないね。
また、強調構文を訳す場合は、強調されている語句を際立たせて訳す必要があるよ。

つまり、
「昨日私のノートパソコンを借りていたのは彼だった」
と he に当たる部分を強めるように表現してね。

目的語の my laptop computer を強調する場合



my laptop computer を強調するのであれば、「~」に my laptop computer を置き、that 以下には my laptop computer を抜いた英文を続ければいいんだ。

すると、強調構文はこんな感じだよ。

It was my laptop computer that he borrowed yesterday.



今度は my laptop computer を強調して訳さないといけないから

「昨日彼が借りていたのは私のノートパソコンだった」

となるんですね!

副詞の yesterday を強調する場合



これまでと同様のパターンで、今度は yesterday を強調構文に当てはめてみよう。

It was yesterday that he borrowed my laptop computer.



今度のは、yesterday が強調されているから、

「彼が私のノートパソコンを借りたのは昨日のことだった」

みたいな感じですよね?



ちなみに、この場合なぜ yesterday を強調しているのかというと、書き手は、彼が私のノートパソコンを借りたのは、「今日」や「明日」ではなく「昨日」なんだ、ということを主張したいからなんだ。

つまり、強調構文の役割は語句の意味合いを強めること、特に言いたいことに当たるので、筆者の主張にも直接つながっているんだ。
だから、長文でも結論部分といった、ここぞという時に使われることが多いよ。

でも、逆にあまり多用しすぎると、安っぽい印象を与えてしまい、強調効果が薄れてしまうので注意しようね。