語句や節の挿入



文中にコンマ「,」やダッシュ「-」で挟まれた語句が挿入されている英文を見たことないかな?


あ、そういうの時々ありますよね!


それが挿入という用法なんだけど、挿入されることで、その語句が強調されることはもちろんのこと、よく置かれている場所と語順が異なるケースもあるんだ。

でも、それは倒置ではなく、単にその語句が文中に挿入されているだけと考えるといいよ。

話し手の気持ちや補足的な情報の説明を担う挿入

文中に語句が挿入される場合

The orientation for new employees, however, was postponed.



この英文では however という語句が文中に挿入されているんですよね!


コンマで囲まれているから、分かりやすかったかな。
however は「しかし」という逆接を表す副詞で、文頭に置かれることが多いもの。
次のような形の方が見慣れているんじゃない?

However, the orientation for new employees was postponed.



だけど、今回のように文中に挿入されることもあるんだ。


じゃあ、この英文を訳すと、
「新入社員向けのオリエンテーションは、しかし延期された」
でいいんですか?

ちょっと変な日本語な気がしますけど…。



この英文を訳す時の注意点は
「挿入されているからといって、挿入されている箇所にとらわれすぎない」
ということ。

この場合は、文中に挿入されていても、文頭にある場合と同じと考えて、
「しかし、新入社員向けのオリエンテーションは延期された」
としてもOKだよ。

もちろん、文中で訳してもしっくりくるケースもあるから、臨機応変に対応しようね!

His latest novel, after all, won the famous book award.



もう慣れてきましたよ。
挿入されている語句はコンマで挟まれている after all「結局」ですよね!


主語は His latest novel「彼の最新の小説は」、won the famous book award は「その有名な図書賞を受賞した」という意味。
ということで全訳は
「彼の最新の小説は、結局その有名な図書賞を受賞した」
となるよね。


この場合は after all の訳を文中に入れても違和感がないんですね!


話し手は自らの気持ちを表現する時や注釈や補足的な情報を付け加える時に挿入を用いるんだ。
挿入語句はコンマで挟まれていることがほとんどなので、見抜くのはそれほど苦労しないはずだよ。

文中に節が挿入される場合

The operation, I think, will be successful.
「手術は、私が思うに、成功するだろう」



この英文は
The operation will be successful.
という英文があって、その中に I think という節が挿入されている形ってことですか?


そうなるね。

見方を変えると、
I think (that) the operation will be successful.
という英文の I think の部分が文中に置かれているだけ、と考えれば、もっと分かりやすいんじゃないかな?



なるほど!
節が挿入されている複雑な構造でも、
「挿入されている部分=コンマで挟まれている部分」
という基本ルールに沿えば、見極められそうですね。