同格のさまざまな表現



今回は「同格」という用法について見ていこう。


その前に、そもそも同格って、どんな用法なんでしょうか?


語句の意味を補ったり、言い換えたりするために、似たような働きをする語句を付け加えることだよ。
つまり、直前の語句とイコールの関係になることって考えるのが一番わかりやすいかな?

補足と言い換えを表す同格



さっき同格とは語句の言い換えや補足ことだと言ったけど、
訳す場合は「つまり」「~という」「~である」といった訳語が当てられることが多いんだ。

Mr. Adams, the most famous doctor in this town, is going to operate on my father tomorrow.



Mr. Adams と
the most famous doctor in this town は
どういう関係だと思う?


えっと、the most famous doctor in this town は「この町で一番有名な医者」ってことだから、たぶん、直前の Mr. Adams のことを言っているんじゃないかしら?


そうだね。
補足説明している形で、アダムスさんがどんな人かを説明しているわけだよね?
つまり、Mr. Adams = the most famous doctor in this town
が成立するから、この2つの箇所は同格の関係と言えるんだ。


同格関係を見分けるヒントってありますか?


今回のように補足説明をする用法の場合、コンマで挟まれることが多いので、同格だと見分ける目印になるよね!

ちなみに、この場合は、同格の部分を「~である」と補って「この町で一番有名な医者であるアダムス氏」とすればいいよ。



となると、operate on ~ は「~の手術をする」という意味だから、全訳は

「この町で一番有名な医者であるアダムス氏が、明日父の手術を行う予定である」

って感じですよね!



正解!
前後が同格の関係になる場合は、今回のように後ろの語句がコンマで挟まれていたりすることが多いから、覚えておいてね!

関係代名詞を使った同格表現



前出の語句の補足説明をする用法といえば、関係代名詞にも似たような意味があったような・・・。


そう、関係代名詞の非制限用法だよね!
非制限用法の関係代名詞は先行詞を補足的に修飾する役割だもんね。

さっきの英文を関係代名詞を使って書き換えると以下のようになるよ。

Mr. Adams, who is the most famous doctor in this town, is going to operate on my father tomorrow.



そういえば、関係代名詞の非制限用法の場合も関係代名詞の前にコンマがつくというのが、制限用法と見分ける目印でしたね!

that 節を使った同格表現



次に that 節を使った同格表現を見ていこう!

I heard the news that she is transferring to another branch office.
「彼女が別の支社に転勤するという知らせを聞いた」



この場合の that 以下は the news がどのような知らせかを説明している形だよね?
つまり
the news = that she is transferring to another branch office
という関係が成り立つので、この2つは同格の関係であると言えるんだ。


この that は見慣れた用法だけど、「~という」と訳すから、実は同格扱いなんですね~。


ちなみに、that 節の中は現在進行形になっているけど、「…しているところだ」という意味じゃないよ。

これは未来を表す用法で、すでに具体的な日程が決まっている、そんなすぐ先に起こるであろう事柄の場合、現在進行形で未来のことを表すことができるんだ。



同格の場合はどこが区切りとなるのか、コンマの直前なのか、that 節の直前なのか、語句が言い換えられている箇所に注意して読み解くようにするのがポイントなんですね!