制限用法と非制限用法



関係代名詞は「制限用法」「非制限用法」の2つの用法に分けることができるんだ。


これまで習ってきた関係代名詞はどっちなんですか?


おそらく見慣れている方は「制限用法」だと思うよ。
今回はその両者の違いを詳しく見ていこう!

非制限用法の関係代名詞節は補足的・追加的な内容になる



制限用法とは、一般的な関係代名詞の用法で、その名の通り先行詞を「制限する」ような内容が続くんだ。


えっと、「制限する」ってどういうことですか?


関係代名詞節では先行詞にとって必要な情報を説明するよね?
例えば、先行詞が人だとしたら、それがどんな人なのか説明する、つまり、制限しているとも言えるよね。制限しなければぼんやりするけど、制限することでどんな人なのかがより明確になってくる。


「制限する」というのは、「詳しく説明する」とも言えるんですね。
なるほど~!


一方で、非制限用法とは、「制限しない」わけだから、関係代名詞以下に続く内容は、補足的で追加的なものになるんだ。

制限用法と非制限用法について、例文を交えて確認してみよう。

(1) My sister has three sons who have black hair.

(2) My sister has three sons, who have black hair.



えっと、2つの違いが全然わからないわ~。


よく見てごらん。
関係代名詞の前にコンマが置かれているよね?
その場合は、非制限用法になるよ。


確かに、(2)の例文には who の前にコンマがありますね!
これが非制限用法であることのサインなんですね。


(1)の制限用法は、これまで見てきた関係代名詞と一緒だから、who 以下の関係代名詞節を先行詞である three sons を修飾するように、後ろから訳し上げる感じで、訳してみると?


「私の妹には黒髪の3人の息子がいる」となりますね。
これは簡単です!


あえて「黒髪の」と関係代名詞以下で制限しないといけないということは、who 以下がないと、どの息子かわからないということ。
ということは、妹には3人の黒髪の他にも息子がいる可能性があるんだ。


そうなると、(2)の方はどうなるんですか?


(2)の非制限用法では、who 以下の関係代名詞節を補足的に訳していくことがポイントになるよ。

つまり、who 以下はなくてもどの息子か分かるから、who 以下はあくまで追加で述べているにすぎない、という感じを表現しないといけないんだ。



制限用法の場合は who 以下から先に訳しましたよね。
非制限用法の場合はどうやったら、その補足的なニュアンスを出せるんでしょう?


非制限用法を訳す際は、制限用法のように関係代名詞以下から訳し上げるのではなく、関係代名詞の前で一度訳を区切るようにしてみて。

つまり、My sister has three sons までを「私の妹には3人の息子がいる」と訳しておき、その後に、 who have black hair の部分を「その3人の息子は黒髪である」とつなげていけばOK!



ということは、

「私の妹には3人の息子がいて、3人とも黒髪である」

でいいんですね!



非制限用法は補足的な情報だから、who 以下を述べなくても、どの息子かは分かるということ。
大事なのは、My sister has three sons までとなるんだ。
who 以下はあってもなくてもいいのだから、妹には黒髪の3人の息子しかいないことがわかるよね。

非制限用法は接続詞を補って考えてみる



非制限用法を理解しやすくするには、関係代名詞の前に and を補って考えてみるといいよ!
さっきの例文の who を and に置き換えて考えてみよう。

My sister has three sons and they have black hair.



この英文だと and 以下を three sons にかかるように訳す・・・なんてことはしないよね?
まずは and までの節を訳し、その後に and 以下の節を訳していくはず。


そっか!
and を補うと非制限用法の訳し方と一緒になりますね!


非制限用法はあくまで補足情報。つまり、その部分がなくても相手に通じるので、「あえて言うならば」という感じで述べているにすぎないんだ。 この独特のニュアンスを理解しておこうね!