特定の語句による強調



強調とは英文のある語句を強調する用法のことだよ。


強調されると、何かニュアンス的に変わるんですか?


強調が使われるってことは、書き手がそこを特にアピールしたいってことだよね。
なぜアピールしたいかといえば、文脈的に大事だからだよね。その意味でも強調されている部分を見極めることは、読解の上でとても大切な作業なんだよ。

強調に使われる特定の語句

副詞で語句を強調する



書き手が文脈的にもこの語句をここで強調したいな、と思った時、強調構文を使うというのも1つの手だけど、「特定の語句を付け足す」という方法もあるんだ。


その「特定の語句」とは何ですか?


じゃあその特定の語句について、英文を交えて詳しく見ていこうね!

I have just finished my work.
「ちょうど仕事を終えたところだ」



この英文にも強調が使われているけど、どこだかわかるかい?
実は just という単語が副詞として finished を強調していることになるんだよ。


確かに、訳も「ちょうど…した」となることで、単に「…した」よりも「まさに仕事が終わった感じ」が出ていますね!


副詞が他の語句を強調するパターンだとこういう例もあるよ。

It will be extremely cold this winter.
「今年の冬はたいへん寒くなるだろう」



extremely「たいへん;極端に」という副詞が cold という形容詞を強調しているよね。


ただ「寒い」んじゃなくて、「たいへん寒い」となることで、より寒さが強調されているってことですね!


このように、よく見かける just や extremely といった副詞にも語句を強調する役割があるんだ。
あまりこれまで意識されなかったかもしれないけど、これもちゃんとした強調用法なんだよ。

動詞を強調する



動詞を強調する場合に、do、does、did を動詞の前に置くという用法もあるよ。

My grandfather did come to see me yesterday.
「昨日、祖父がまさに私に会いに来てくれた」



疑問文でも否定文でもない肯定文だけど、did という助動詞を come という動詞の前に置くことで続く動詞を強調しているんだね。
訳す時のコツとしては「まさに;本当に」といった語句を付け加えるといいよ。


あれ?
英文は過去時制なのに、did の後が come と動詞の原形になっていますけど…。
これはなんでなんでしょう?


実は強調の does や did の後には動詞の原形が続くというルールがあるんだ。
否定文や疑問文でも didn’t や Did you の後の動詞は原形になるでしょ?
それと同じことだよ。

再帰代名詞で語句を強調する



再帰代名詞とは myself や themselves といった代名詞の後に self や selves がついた形の語句のこと。
よく「~自身」と訳されることが多いこの語句だけど、これも強調の一種なんだ。

I could not see the vice-president himself.



この himself は何を指しているのかしら?


could not see は「~に会えなかった」となり、その目的語である the vice-president は「副社長」という意味。
himself は him なのだから、主語の I ではなく、the vice-president を指していると考えられるよね。

したがって全訳は
「私は副社長自身に会えなかった」
となるけど、「副社長自身に会えなかった」というのはちょっとぎこちないので、「私は副社長本人に会えなかった」とすると、より自然な表現になるよ。



なるほど! 理解できました。


この英文のポイントはずばり再帰代名詞の himself だね。
こうした代名詞の後に self や selves がついた語句が英文で使われると、強調の役割を果たすんだ。

訳す際は、「~自身」というお決まりの訳を用いてもいいだろうし、今回のように「~本人」とすると、しっくりくる場合もあるよ。