関係代名詞の省略



今回は省略される関係代名詞について説明していくからね。


関係代名詞って省かれることもあるんですか?
だとしたら、前後の繋がりが分かりにくくなりそう…。


関係代名詞が省略されるとその分、修飾関係も分かりづらくなるよね…。
だから、今回はその見抜き方も一緒に解説していくよ。

省略できる関係代名詞と省略できない関係代名詞



関係代名詞の中には、「省略できるもの」と「省略できないもの」があるんだ。
省略可能な関係代名詞で代表的なのが、目的格の関係代名詞だね。
主格の関係代名詞が省略されることはほとんどないんだ。


主格、目的格・・・って何だっけ?


「主格」「目的格」と書くと難しい感じがするけど、要するに、

主格は先行詞が関係代名詞節の主語になる場合
目的格は先行詞が関係代名詞節の目的語になる場合

を指すんだよ。

省略できない主格の関係代名詞

I know a secret of the man who is called Kyle.
「カイルと呼ばれる男の秘密を私は知っています」



この英文では先行詞が the man、関係代名詞節は who is called Kyle となるけど、今度は先行詞が関係代名詞以下の主語となっているよね。


うんうん…。


つまり…

The man is called Kyle.

という英文が成立するわけだけど、こういう場合は関係代名詞を省略することはできないんだ。



who = the man
となって、the man は関係代名詞節の主語、つまり「主格の関係代名詞」だから、この who は省略できないんですね。

省略可能な目的格の関係代名詞

The orientation which all new employees had to attend was held yesterday.
「新入社員全員が参加しなければいけない説明会が昨日開かれた」



この英文で先行詞は The orientation で、関係代名詞節は which all new employees had to attend ですよね!


しかも、all new employees had to attend the orientation の the orientation の部分が which に置き換わっているわけだから、the orientation は all new employees had to attend の目的語になっていると言えるよね?

この関係を結ぶ関係代名詞を「目的格の関係代名詞」と言うんだけど、これは省略することができるんだ。



ということは、以下のように書き換えた英文が成立するわけですね!

The orientation all new employees had to attend was held yesterday.



このように関係代名詞が省略されている英文では、
「本来ならどこに関係代名詞が置かれるはずなのか?」
ということを見抜くことが大切になるんだ。

目的格の関係代名詞が省略されるということは、
名詞+S+V
という形になっている部分に注意すればいいということ。



確かに、The orientation という名詞の後に、all new employees had to attend という主語と動詞、つまりS+Vが続いていますね!
関係代名詞の省略


図式化するとこんな感じだね。
短い英文の場合は気づきやすいけど、一文が長い場合に、関係代名詞が省略されると、文構造が非常に分かりづらくなることも…。


でも、そんな場合は、”名詞+S+V”という語順を見かけたら、名詞の後に関係代名詞が省略されているのではないか、と一度疑うようにしたらいいんですよね!!