関係代名詞の what



who や which といった関係代名詞で導かれている部分を「関係詞節」「関係代名詞節」なんて言うんだ。


who や which の後の主語と動詞を含む部分は、節の形になっていますしね。
だから、その部分を1つのまとまり(節)と考えるんですよね?


そうだね。
そして、この関係詞節の定義を踏まえて、今回は関係代名詞の what を詳しく見てみよう!

関係代名詞 what は文の主要素になれる?



関係詞節とは、関係代名詞の前にある先行詞を修飾する部分だから、
関係詞節単体では、文の主要素である、

主語(S) 動詞(V) 目的語(O) 補語(C)

になることはできないんだ。



どうしてですか?


あくまで関係詞節は、先行詞を修飾して、詳しく説明している部分にすぎないからだよ。
つまり、主役は先行詞の方で、関係詞節は主役の引き立て役みたいなものと考えれば分かりやすいかな?

だから、関係詞節は、主要素となる主語や目的語を説明している「修飾語」という分類になるんだ。

This is a popular English-Japanese dictionary which a lot of students use.
「これは多くの生徒が使っている人気の英和辞典である」



この場合、which a lot of students use の部分が関係代名詞節であり、a popular English-Japanese dictionary を修飾しているよね。

でも、which 以下は文の主要素、つまり、SVOCのどれにも当てはまらないんだ。



え~っと、which までの文構造を見ていくとこんな感じですよね?
関係代名詞の what


そうだね。
第2文型のSVCとなり、which a lot of students use は、ちょうど補語(C)の部分を修飾する修飾語(M)になるんだ。


ということは、修飾語として、その辞書がどんな辞書なのか、which 以下で説明しているにすぎないってことですか?


そうなるね。
だから、which 以下の関係詞節を取り除くと・・・

This is a popular English-Japanese dictionary.
「これは人気の英和辞典である」



ほら、これだけの要素でも英文として成立しているよね!


確かに、ちゃんと主語と動詞があって、1つの英文になっていますね。

この場合は、先行詞の a popular English-Japanese dictionary という主役を関係詞節が引き立てているだけであって、その関係詞節自体は SVOCのどれでもないんですね。

関係代名詞 what は先行詞を含む



このように関係詞節が単体で、主語、動詞、目的語、補語になることはあまりないんだけど、関係代名詞 what だけは別格なんだ。

What he is drawing is a portrait of his wife.
「彼が描いているものは彼の妻の肖像画だ」



この英文の文構造を見ていくと・・・
関係代名詞の what


What he is drawing の部分が 主語(S)という主要素になっているわ!


このように、関係代名詞 what が含まれると、主語・目的語・補語のどれかになることがほとんどなんだ。


でも、さっき関係代名詞節を含む節は、SVOCにならないことが多いって言ってましたよね?
なんで、what が含まれるとそのルールから外れてしまうんですか?


それはね、多くの関係代名詞が先行詞を修飾するのに対し、「what にはそれ自体に先行詞が含まれているから」なんだ。


関係代名詞に先行詞が含まれているって、どういうことですか?


関係代名詞 what は「…するもの;…すること」と訳すんだけど、厳密に言うと

what = the thing(s) which

と置き換えることができるんだよ。



なるほど!
what にはあらかじめ the thing(s) という先行詞が含まれているってことですね!?


さっきの例文でも、What he is drawing は The thing which he is drawing「彼が描いているもの」と、名詞っぽく訳すことができるため、主語(S)や目的語(O)といった主要素になることができたんだ。


名詞の形なら主語や目的語になれますもんね!


これまで、もしかしたら関係代名詞 what を機械的に「…するもの;…すること」と訳していた人も多かったのでは?

でも、今回の内容を踏まえれば、先行詞を含んだ節を作り、文の主要素にまでなってしまう what 独自の用法をより深く理解できるはずだよ。