時制の一致



今回のテーマは「時制の一致」だよ。


時制というと、現在形、過去形、未来形、完了形のことですよね?


そうだね。
時制は、文型と同様に英文を読む上で根幹になる部分。しっかりと内容を理解していこう。

that 節の時制に注意する



「時制の一致」とは現在時制の時は現在形を、過去時制の時は過去形を使ってね、という当たり前の話なんだけど、英文が長くなると、時制を一致を見落としやすくなるんだ。

He thinks that the book is worth reading.
「彼はその本を読む価値があると思っている」

He thought that the book was worth reading.
「彼はその本を読む価値があると思っていた」



1つ目の英文は「思っている」だから現在形。
He thinks ~ となっているよね。

一方、2つ目の英文は「思っていた」だから過去形。
よって、He thought ~ となっているよね。



過去時制だから、that 節の中も the book was ~ なんですよね?


そう、これこそがまさに「時制の一致」なんだけど・・・
でも、よく考えてみて!
2つの英文は時制が異なるのに、that 節の中の訳は「その本を読む価値がある」と、どちらも現在形で訳されてない?


あれ、ほんとだわ!


これが日本語の難しいところなんだ。
「その本を読む価値がある」と現在形っぽい表現でも、過去時制の中で用いられていたら、「その当時彼は価値があると思っていたんだな」と聞き手側は過去時制として自然と解釈するんだ。

でもね、「自然と」できるのでは、僕たちが日本語のネイティブだからなんだ。



だから、日本語から英語に置き換える時に「時制の一致」を行う必要があるんですね。

She worked hard so that she (   ) buy a new dress.
「彼女は新しいドレスが買えるように、懸命に働いた」



さて、上の例文の(  )の中には何が入るかな?
ヒントは so that S can …「Sが…できるように」という構文が使われていることだよ。


えっと、so that she の後は can になるんじゃないかしら?


おや?
「時制の一致」を忘れてない?


あっ、そうか!
(  )の中に入るのは can の過去形の could ですね!!


She worked hard「彼女は懸命に働いた」の worked からこの英文は過去時制ということが分かるよね。
ということは、so that 以下の時制も過去形になるよね?


なるほど!
現在形なら so that she can buy … となるところですが、so that 以下も時制の一致で過去形にしないといけないんですね。


このように時制の一致で間違えやすいのは、that 節の時制がほとんどだから、that 節の動詞の形に注意しようね。